明日のゆくえ
 フェイがいなくなると、バルトはいつも、「見つけたら撲ってやる」と思う。ユグドラシルにいる皆はたいてい、フェイが心配で落ちつかなくなるようだが、バルトに限ってはいつも腹に据えかねる、という気分になるのだった。
 黙っていなくなるなよ、といつもフェイに言いたかった。でも、いなくなるのは決してフェイの自由意志ではないのだし、それは無理な話だろう。そんなことを言ったらフェイを困らせるだけなのがわかっているから、悲しませるだけなのがわかっているから、なにも言えない。でも、腹は立つ。
(俺にくらい伝えたっていいじゃねえか、フェイ。また、勝手にいなくなって。……絶対、撲ってやる)
 撲ってやる撲ってやる、と思って実際に撲ることはほとんどない。毎回、見つけるたびに拳を握った手を振り上げそうになるのだけれど、ぶつけることはできなかった。
 ……でもそのときは、ギア同士だったのでつい衝動を止められなかった。半端な一撃だったとは思う。叩きつける瞬間に、さすがのバルトも迷ってしまったからだった。それでも、ふりあげた拳は止まらなかった。
 ギア同士のぶつかり合う重厚な鉄の音が響いた。
 いつもバルトの仕種は乱暴だ、と思っているに違いないまわりですらあっけにとられていたようだった。撲り飛ばしてしまったことに自分で驚いて、バルトが最初に口を開いた。
「フェイ、フェイ……フェイ、平気かよ!!」
「……君が撲り飛ばしたんだろ」
 ビリーの声がスピーカーから聞こえてきたが、それもいつもと違っているようだった。呆れ半分、あとの半分はよくわからない。それを考えられるほど、バルトには余裕がなかった。
 弾き飛ばされたフェイのヴェルトールは砂塵に埋もれている。しばらく動かなくて、どうかしてしまったのかともやもや思っていたら、通信が入った。
『ごめん、バルト』
「フェイ……怪我ないか?」
『大丈夫だって。おまえ、手加減したろ』
「うん、そうだけど。うん。……ごめん」
 なんでもないみたいに響くフェイの声で余計、罪悪感が募った。撲りたいと思っていたけれど、本当に撲りたいと思っていたわけじゃないのだ。
「くそっ!」
 通信を切ったコックピットで、バルトは思わず大声を上げた。
 衝動を抑え切れなかった自分が、どうにも悔しくて。
 本当に辛いのはフェイなのに、情けなくて涙が出そうだった。にじんだ涙を眼帯をはずしてこすり、バルトはもう一度、聞こえない言葉を口にした。
「ごめんな、フェイ」
 フェイをどれだけ傷つけたかわからない。なのに、気にしてない風を装うさっきのフェイの声が胸に痛い。
「……ごめん」
 モニタでフェイのギアがユグドラシルに着艦するのを見届けて、バルトもギアを動かした。
 艦に戻って、すぐにフェイに謝りに行こうかと思ったのだが、バルトがギアから降りたときにはもう、フェイはシタンに医務室に連れて行かれていた。イドになっていた間の身体や精神の健康状態をチェックするという名目だ。
 その検査自体はいつものことだったけれど、さっきバルトが撲ったばかりなのでその怪我のほうが気になる。なんのかんの言ってイドは強いし、怪我らしい怪我をするとも思えない。しているとしたら、さっき不意打ちでバルトがしたことくらいだろう。
 どうしようと迷いながら、バルトは食堂にむかった。
 食欲もあまりないのだけれど、なんとなくトレイの皿から食事を取りつつ、ため息をついていると、はすむかいにかなり性格の悪そうな顔をしたビリーが座った。空気に棘がある。
 なにか言いたいのだろう。つんつんしながら、わざわざはすむかいに座ったのだ。
 大方、さっきのことはいかがなものかとでも言いたいに違いない。
 いかがなものかなんて、バルトだって重々承知だ。だから早く謝りたいのに、フェイは医務室に籠もったままなのだ。
 ビリーは珍しく、マナーもおざなりにがちゃがちゃと食器の音を立てながら食事をしている。
 そうしてビリーは、不機嫌そうに口をゆがめて言い出した。
「……君さ、いつもどう思ってるんだよ」
「なにがだよ」
「フェイのこと」
「どういう意味だよ」
 ケンカ腰のビリーにバルトの語気も、いらついたものになった。
「胸糞悪いんだよね」
「おーおー、いい子のエトーン様が、胸糞悪いとは大したもんだな」
「バルト、勘違いしてない?」
「なにをだよ」
 今まで視線をこちらにむけてこなかったビリーがちらりとバルトを見た。
「僕が怒ってるのは、君じゃなくてフェイなんだけど」
 意外な言葉が出てきてバルトは目を見張る。
「……なんで、フェイなんだよ」
「フェイは君に寛大すぎるよね。あんなふうに撲られて、あんなふうに言うなんて」
「おまえ、本当にいらついてるのは俺じゃないのかよ?」
「君はあれくらいやりかねないし。呆れてるだけだよ」
 本当にいらついてないとは言わせない、と思ったが、一番の矛先はやはりフェイのようだった。
「フェイはなに考えてるんだろう。僕にはさっぱり、理解できないよ。平気なわけないのに、平気とか言うしさ」
「おまえだって、辛くても辛くないとか言い張るだろ」
「僕がそういうことを言うのはそうしたほうが安心する赤の他人相手にだけだよ。知らない人に、心配されたり同情されるのって性に合わないんだ。そういう人たちって、実際は声をかけて、平気だって言う返事をもらって安堵したいばっかりなんだしね。
 フェイが僕らにあんなこと言ったって、だれも安心しないに決まってるじゃないか。むしろ気になるし。そういうなにか含んだような態度が胸糞悪い」
 さらりとビリーは自分の性格に問題があることを告白したが、本人はおそらく気づいてないだろう。そういうのは二重人格と言わないか、とバルトは心の中で悪態をついたが、フェイに関しては間違ったことは言ってない気がする。
 撲ったあのとき、むしろバルトはフェイに撲り返してほしかったんだと気づいた。
 バルトに撲られる筋合いはない、そう言って撲られて、そのあとでお互いにごめんと言うべきだったのに。
 フェイははじめから謝るのだ。
 フェイはいったいなにに謝ったというんだろう。撲られたのはフェイだったのに。
 ビリーが赤の他人には心配させないように辛くないと言っていたというなら、フェイのさっきの謝罪もそうだという可能性はある。それはかなり、ぞっとする。フェイにどうでもいいと思われているなんて、ごめんだ。
 食事を終えたら検査でもかまわずに謝りに行こうかとか、検査が終わるまで扉の外で待っていようかとか、いろいろと考えていたのだけれど、それを考えたら急に怖くなってしまった。
 あんなことしたからフェイは怒ったのかもしれない。もしかすると、嫌われたのかもしれない。
 イドに変わるなんて、フェイだって望んでいないのはわかっているのに、バルトはそう改めて思って落ちこんだ。ちょっと、浮かび上がれそうにない。
「情緒不安定はわかるけど、僕らにまであんな遠慮見せたってだれも喜ばないと思わない? だいたいさあ……」
 すっかり沈みこんだバルトの傍で、ビリーはいつまでも文句を言い続けていた。



「気分は悪くないですか」
 シタンに言われて、フェイはうなずいた。
「平気だよ」
「まあ、あなたの『平気』はあまり信用できませんがね」
 苦笑混じり言われて、フェイもなんていいと言っていいやらわからず、視線をさまよわせた。
「疲労感もないし、痛い部分もない。めまいもなかったし、頭痛もない。身体は健康そのものだよ」
「そうですね、検査でもおかしな数字は出てません。嘘じゃないみたいですね」
「……嘘なんか、つかないよ」
「だといいんですが」
 シタンはため息をついて、苦笑した。
 フェイはとたんに、むっとした表情で顔を背けた。
「嘘なんかつかない」
「じゃああなたの『平気』はなんて呼んだらいいんでしょうね。……『優しさ』ですかね」
「優しくもないよ、先生」
 子供のように拗ねるフェイを、シタンは笑って抱きしめた。
「それがわかっている分だけ、あなたは立派ですよ」
 その言葉は、フェイが辛くても平気だと言うように、嘘だった。シタンは平気で嘘を言う。けれど確かに、それは優しさなのかもしれない。きりきりと胸が痛むので、フェイは歯をかみしめる。そしてそれをシタンに知られないように、シタンにされるがままでいた。
 本当はとても痛かった。
「……あ、フェイ。もしかしてあなた、私の言っていることを信じてないんですね?」
 とても軽い口調で言われたけれど、それは確信をついた言葉だったから、フェイはぎくりとした。
「先生は、優しいからさ」
「私だって、優しくなんかないですよ」
「そんなことないよ」
「ありますよ。ねえ、フェイ。私は、そうやってどこまでも自分に失望しているあなたを見て、羨ましいと思うし、とても健全だと思います。それを変だと思いますか? けれど、自分が犯した罪を罪だと諒解することは、だれにでも出来ることではないんですよ」
 フェイは真摯なシタンの言葉に、少しだけ笑ってしまった。あまりにもシタンが優しい嘘をつくから。フェイは顔を上げて、シタンの腕を拒んだ。少し傷ついた顔をして、彼はため息をつく。反抗期の子供を前にした父親のようだ。
「先生、だからって俺の罪が消えてくわけじゃないじゃないか」
「それでも、同じ罪を犯すことは避けられます」
「そんなのわからない。またいつイドになるか、俺にだってわからないのに」
「今は確かに、あなたはあなたの中にある人格を制御できていません。けれど、それが未来永劫に不安定でいることを裏付けるものもないんです。人間は、変わってゆきます。あなたはあなたがしたことを罪だと感じている。その心があれば、あなたが罪を憎む気持ちがイドという破壊衝動を抑えることが出来れば、変わることが出来ます」
 そうなんだろうか。そんなことができるんだろうか。フェイは、バルトを思い出した。まさかいきなり撲られるとは思っていなかった。
 バルトみたいな人間じゃなきゃ駄目なんじゃないかと思う。ああいう風に、まっすぐに罪を憎めるような人間じゃないと。バルトにもいくらか衝動的なところがあるけれど、それはいつだって太陽の方を見ている。フェイときたら、日陰の泥沼で、どこまでも深く沈んでいくだけだ。確かに罪を憎んでいる。けれど、憎んでいるだけでどうにかなると思えるほど、フェイはおめでたくなかった。
「フェイ、私は本当にあなたが羨ましいんですよ」
「やめろよ、先生」
 少しだけむっとしてフェイが言うと、シタンこそ傷ついたような顔をした。
「本当ですよ。私は、あなたみたいに自分のしたことに罪を感じて、それを悔やむということがないですから。
 私は、人間としてとても大切なものが壊れてしまっているんです。それが大切だったことは知っているし、壊れてしまったこともわかってる。けれど、取り戻せない。私は、ソラリスで守護天使となるときにリミッターを外されています。リミッターがどういうものかは厳密にはわかりません。けれどそれが外されたとき、私の中で壊れたものがあったのです。フェイ、どうして人が人を殺すことを悪いと感じるのでしょう? それを罪だと、思えるのでしょう? それは、道徳概念というものがあってはじめてそう感じるのです。私には、それがないのです。だから、なにが罪かわからない。どうして人を殺して咎められるのか、わからない。……それを取り戻そうと、死に物狂いで努力をしました。けれど、今もまだ取り戻せていません。私は、道徳を学んだだけなのです。頭で理解しているだけなのです。道徳というものは、本当はそういうものではないのですけれどね……。フェイ、私が剣を封印していたのは、そうしておかなければ自分を戒めることさえ出来なかったからです。頭で理解していても、なにかのときに、私は剣を抜いて殺してしまうのです。峰打ちでいいのに、殺してしまうんです。それをとどめようとする、道徳心がないからです。それを罪に感じないからです。だから剣を手放したんですよ。はじめは、どうしてそうしなければいけないかもわからなかった。……もっと昔は、私にも道徳心というものがありました。別に考えなくたって、なにがいいことでなにが悪いことなのか、わかったし、倫理的に間違ったものを見るととても腹が立ったし、……まあ、だからといってその出来事に逆らったかどうかは、別ですが。なにしろ、逆らったら自分の身が危ないような国で暮らしていましたから。けれど、そのことに対して腹を立てて、出来る限りでもいいからなんとかしたいとあがくことは出来たんです。もう、ずいぶん前のことですけどね。
 私は道徳心というものがある、ということを学びました。でも、それは道徳心を得たのとは少し違うんです。だから私は、あなたが羨ましいんです。……わかってもらえましたか?」
 シタンの言ったことすべてを、理解できたとは思わない。フェイは戸惑ってしまっていた。道徳心がない? わからない? シタンがまさか、そんなふうに考えているなんて知らなかった。だが、シタンがたくさんの言葉でなんとか説明しようとしたものの形は、フェイにもわかった。
「……先生、ごめん」
「どうして謝るんですか?」
「そんな話、本当はしたくないんだろう」
「そう言えるあなたは、本当に優しいと思いますよ」
 シタンに対して思った感情が、優しいというのだろうか。本当に? むろんフェイは、他になんと呼べばいいものか知らなかった。



 検査を終えて医務室を出たフェイは、釈然としない気分のままに歩き出した。ギアのダメージはかなりあったようだから、見に行ったほうがいいかもしれないと思うものの、気が進まなかった。ヴェルトールを見ると、嫌でも自分がイドだったということを思い知らされる。
(けど、修理を任せているだけにもしておけないか)
 そう思ってギアドックに足をむけた。イドから戻ってギアを改めるのは、いちばん苦痛の大きい時間だった。フェイが憶えてないことを、ヴェルトールは記録している。それはきちんと構成された記憶にはならないが、その一端ではある。イドがしたことの痕跡をトレースするのはいちばん苦しい。自分のことなのに他人のように思えるのが、辛い。
 記憶の断片がガラス片のように胸に突き刺さる。
 こればかりはだれも救ってくれない。シタンの言葉も、慰めにはなるが痛みをやわらげてはくれない。これが痛くなくなってしまったら終わりだということはわかっているから、その痛みを受け止めることは出来る。けれど、痛くて痛くて、死にそうだった。
 ドックに足を踏み入れたときにようやく、そういえばバルトはどうしただろう、と思った。
 バルトのことを考えている余裕なんてなかった。撲られた理由もよくわからないし、考えたくなかった。ただ、バルトを怒らせてしまったことは申し訳なく思う。理屈もなく怒るようなやつじゃないのは、フェイもわかってる。けど、だからといって撲る理由がわかるわけじゃない。怒る理由はわかる。けど撲る理由は、わからない。
 実際のところ、撲られた、というのもあまり実感がないのかもしれなかった。撲ったのはバルトのギアで、撲られたのはフェイのギアなのだ。自分の頬を撃たれるのとはわけが違う。撲られたときの衝撃はまだ身体にイメージとして残っていたが、頬が痛むわけじゃなかった。
(ちぇっ、しかもあいつ、ギリギリのところで加減しやがった。なんだかそういうのも腑に落ちない)
 だからバルトのことを考えると、なにもかもがすっきりしなかった。
 ヴェルトールの足元まで辿り着いたフェイは、暗い気持ちで自分の乗るギアを見上げた。タラップに乗ったクルーたちが、忙しなく修理に取りかかっている。ひとりが駆け抜けざまに、フェイに声をかけた。
「しばらくかかるぞ!」
「あ、うん。……ありがとう」
「これが俺たちの仕事だからな!」
 ユグドラシルのクルーは、バルトに負けず劣らずさばけていて、フェイは思わず顔をほころばせてしまった。
「ありがとう」
「あっちで若がうろうろしてるぞ」
 背後を指さされ、フェイはふりかえった。確かに、広いギアドックのむこうにバルトの金髪と、目立つ赤のジャケットが見えた。
「ひょっとして、俺のこと探してたのかな」
「たぶんな」
 たぶんという心もとない言葉だったが、フェイもそんな気がしていた。ありがとう、ともう一度フェイが言うと、クルーはげらげらと笑って「ありがとうの大安売りだな!」と答える。
「……ごめん」
「そのあたりにしとけ」
「うん」
 フェイはため息をつきながら、バルトのほうへと歩き出す。バルトもようやくフェイに気づいたようだった。少しためらうそぶりを見せたが、もともとそんな態度を取り続けることのできる性格じゃなかった。意を決したようにずかずかと大股で歩み寄ってくる。
 もしかしたら、撲る気なんだろうか、とフェイは思った。さっきはいささか不発だったから、今度こそ拳で撲るつもりかもしれない。
「おい、フェイっ!」
 呼ばれて、どういう顔をしたらいいのかわらかなかった。シタンを相手にしているときはそんなことは思わないのだが、バルトにはつい考えてしまう。
「フェイ、怪我、なかったか?」
「え、ああ、うん」
「……ごめんな、いきなり撲ったりして」
 バルトはしんみりとした口調でそう切り出した。それからきっと顔をあげて、フェイを見つめる。
「撲れよ」
「なに言ってるんだよ」
「俺が撲ったりすんの、どう考えてもおかしいだろ! 撲れよ!」
「自分で撲っといてなに言ってるんだ」
「撲った俺が言ってるんだろ。撲れったら、撲れよ!」
 バルトは撲れ撲れと迫る割には、またもフェイの肩に手をかけてゆさぶろうとでもしているみたいだ。どんな思考回路でそうなるのかフェイには少しも理解が出来ず、さすがに勘弁してほしいと思う。
 バルトを撲る気なんて全然なかった。フェイが馬鹿なことをいうのはやめろよ、と何度も言ってようやく、バルトは落ち着きを取り戻して、肩を落とした。
「いつも俺、おまえのこと撲ってやろうと思うんだ」
「……それで撲ったのか。それはいいけど、どうして」
「だっておまえ、」
 なにかを言いかけてバルトは口ごもる。それからむしゃくしゃした様子でああ、とため息をつく。
「なんだよ」
「なんでもない」
「言ってくれよ。俺だって、おまえを嫌な気分にさせてるんだったら嫌だし」
「けど……」
 バルトは大きくため息をついた。それからやおら、がばりとフェイに手を伸ばした。あっけに取られていると、いつのまにか強くバルトに抱きしめられていた。撲ったり、抱きしめたり、忙しいなと思いながら、フェイは少しだけ泣きそうになった。
(おまえ、優しいんだな)
 自分が優しいのかはわからない。だがシタンも優しいと思うし、バルトも優しいと思う。
「帰って来てくれればいいんだ、ほんとは」
 バルトはそう呟いた。フェイはうん、と頷く。
「帰って来るよ」





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フェイバル。とはいいつ、中盤で喋っているシタン先生のために書かなくてはなと思っていたものです。そこで喋っていることが、わたしの中のシタンという人の中核にあるテーマ。というわけで心情的には旧エレフェアに並べたい……けどさすがに、本当に、これフェイバルだから。
五年前に出した「太陽探し」という本で、バルトがフェイを探していて、やっと見つけたときに、「撲るか抱きしめるかしてやりたい」とか思うのですね。で、イラストを書いてくださったあくまりくさんが「どっちでもいいからしてほしい……!」とかおっしゃっていたのでそういう話を書きたいとずっと思ってたんだ……さすがにもうりくさんに「こんなもの書きましたー」とか言いにはいけない(笑)(061015)

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